昨今の兵器には、小難しいシステムが取り付けられているものも少なくはない。

 より多くの武器を扱いたいなら、それらをすぐに使えるようにしておくことも重要だと考えてカイルは大学に通った。

 軍に入っても、馬鹿では大したこともさせてもらえないだろうと考えたからだ。

「箔。ですか」

「おう」

 深い考えがあって提案したとは思えない。

 外とはあまり交流を持たないベリルに、交流が必要となる環境を強制的に作ろうとしているのか。

 とはいえ、拒否する理由もない。

「解りました」

 彼の提案に従うべく端末を手にした。

「サラ。頼みたい事がある」

 通話の相手は、ベリルが馴染みにしている情報屋だ。

 入手した情報を売り買いする組織や個人、会社を「情報屋」と呼ぶ。

 情報屋によっては情報だけでなく、それなりの報酬を支払えばある程度の雑用まで請け負ってくれる。

 ベリルはその一人、サラの情報を得て幾つかの大学を選んだ。