造られた命。頭の悪い俺でもそれくらいは解る。

「ふむ」

 ──だから何だ?

 造られたからどうだというんだ。俺には関係ない。

「うん。そうだ」

 俺にはそんなことまったくどうだっていい。

 目の前にいるのは、ただのガキだ。

 それ以上でも以下でもない。

 物知りだが世間知らずのガキだ。

「あの」

 ベリルは、一人ぶつぶつと呟いているカイルをいぶかしげに見つめる。

 すると、勢いよく上半身を起こしたカイルがベリルの頭をぐしゃぐしゃとなで回しニッと笑った。

「お前、今から俺の弟子な」

「本当ですか」

 まさかと目を丸くする。

「音(ね)を上げるなよ」

「はい」

 ベリルは少年らしい笑顔を浮かべた。