彼を信じていいのか。

 それを自問自答しながら、恐怖と戦いながら言葉を紡ぐ。

「あらゆる人種のDNAを一つとし、子宮内での成長ではなく、人を造り出すこと」

 その成功例が私です。

「ベリル・レジデントとは、ベルハース教授が付けてくれた名です」

「へえ」

 カイルは頭が混乱しているのか、呆然とベリルを見つめたまま動かない。

 やはり信じてもらえないのだろうかと若干の不安を抱いていると、

「俺は頭が良くないんだ。もっと解りやすく言ってくれないか」

 ベリルはそれに眉を寄せた。

「つまり、えと──」

 簡単に説明するのはどうすればいいのだろう。難しい。

 考えあぐねて、

「実験室で生まれました」

「ああ、なるほど」

 納得したように手を打ったカイルだが、ベリルはどうにも納得がいかない。