「大勢の専門家から学びました。警備を含めれば三百人。それが、私の家族でした」

「なんだそれ」

 もっともな反応だとベリルは薄く笑う。

「あなたがいた森に、軍の施設があることはご存じでしょう」

「ああ」

 下調べでは、さほど大きくはない基地だった。

 すぐ隣に建てられている施設は遺伝子研究所とは明記されていたが、それだけだ。

 ずいぶん広い範囲が立ち入り禁止地区に設定されてはいたけれど別段、気になるほどじゃない。

「私は、そこにいました」

 聞いた言葉に目を見開く。

 カイルの表情を確認したベリルは一度、深く息を吸い込んだ。

「そこで、実験No.6666(フォーシクス)。キメラと名付けられていました」

「は?」

 カイルは、間抜けな声を出したもんだと思い起こすほどおかしな声を上げた。