たゆたう波の終わり

「おい、なんの話をしてるんだ」

 彼らの言葉が解らない仲間がカイルに問いかける。

「さあな」

 ぶっきらぼうに応え、いつでも撃てるようにハンドガンを男の頭に向ける。

 このガキ、闇雲に説教たれてる訳じゃねえ。

 相手の心の奥にあるくすぶりを感じ取ったんだ。

 カイルは流暢に話すベリルに眉を寄せた。

 英語にも違和感がなかった。

 こいつの生まれはどこなんだ。

[貴様──]

 どうせ死ぬなら、このまま誰かを道連れにしたい。

 しかし、少年の瞳がそれを許さない。

 まるで、大きな何かに射すくめられたように体は強ばっていた。

 男は憎らしげにベリルを睨み、引鉄にかけている指に力を込める。

「お前、死ぬことが怖くないのか」

「解りません」

 少年の答えに目を見開き、何度か喉の奥から笑みを絞り出したあと溜息を吐いてふいにライフルを下げた。

 それにより、戦闘は一瞬にして終了を迎えた。