たゆたう波の終わり

[出来ないはずはありません]

 少年の強い声と眼差しに、男は何も言えずただその瞳を見つめていた。

 今まで人を殺して生きてきた。それを今更、どうしろと言うんだ。

 このまま国に送られて、そこで処刑されて終わりで構わないんじゃないか。

 しかし、この少年の言うように、最期くらいは何か出来るのだろうか。

 ──そのとき、入り口から銃声が鳴り響く。

 残っていた敵が壁を盾にして撃ってきた。

「伏せろ!」

 仲間が声を張り上げた瞬間、敵の一人が撃ちながら突入し入り口近くにいた仲間にライフルの銃口を向けた。

 もうだめだと思った瞬間、

[よせ!]

 ベリルは思わず二人の間に割って入った。

「なに!?」

 間に入ったものが子どもということもあり、男は引鉄を絞る指を止めた。

 どうしてこんな子どもがここにいる。