「彼らは殺されるのですか?」

「ん? いや。国に強制送還されるんじゃねぇか。この国の人間じゃねぇからな」

 それを聞いた少年は再び男に視線を合わせた。

[あなたがたは強制送還されます。その国の処置は解りませんが、このまま殺される事はありません]

 ベリルは彼らの言葉で説明した。

[俺たちは殺しまくったからな。国に戻されても処刑されて終わりさ]

 別の男が終焉(しゅうえん)を迎えるような薄笑いを浮かべた。それにベリルは眉を寄せる。

[解っているのなら、何も言う事はありません。しかし、命を奪ってきた罪を理解しているのなら、死を迎えるまでに出来る事があるのではありませんか]

[なんだって?]

 少年の言葉に男たちは目を丸くした。

「おい、あのボウズ。あいつらの言葉を話せるのか」

 様子見と休憩に戻ってきた仲間が驚く、未だ銃声は鳴り止まない。

 カイルはベリルと拘束されている男を無言で見つめた。