明かりもなく、差し込む太陽の光で薄暗い室内の気配を探る。
別の部屋に続く入り口に銃口を向け、別の仲間が倒れている敵を拘束した。
「お前はこいつらを見張っていろ」
ケインに指示を受けたベリルは黙って頷き、周囲の気配に気を配りつつ縛られた敵を見やる。
年の頃はどの男も二十代後半だろうか。
この部屋にいた二人が命を落とし、三人ほどが手榴弾の衝撃で倒れていた。
ふと、一人の腕から血が流れているのを見つける。
ハンカチを巻かれた男は驚いて少年を凝視した。
そんな男に、ベリルは小さく笑みを見せる。
[どうせ殺すつもりだろう。余計なことをするな]
憎らしげにつぶやいた言葉で英語圏の人間では無いのだと解った。
睨み付ける男を一瞥し、部屋の入り口を見張っている仲間に目を向ける。