たゆたう波の終わり

 突然、現れた新米の子どもが他の仲間たちをさしおいて出しゃばる事は、確かに暗黙のルールの中ではあまり良い事じゃない。

 しかし、この状況下ではそれが最良の方法だった。

「お前に戦術を教えた奴は、凄い奴だったのか?」

 ベリルはそれに一瞬、体を強ばらせた。目を伏せるその表情は、どこか愁いを帯びている。

「兵士だったと聞きました」

「ほう」

 なるほど、軍人から手ほどきを受けていたのか。

 ならば合点(がてん)がいく。

 軍は団体行動がメインだ。

 いくら戦術を学んでいようと、俺たちのなかにこうもぴたりと入ってこられる訳がない。

<カイル! もういいぞ>

 聞こえてきた声に、ベリルとカイルは建物に向かって駆けだした。

 そうして仲間たちと合流し、建物の壁にへばりつく。

「中に入ったチームは?」

「まだだ! やっばり数が足りない」

 カイルの問いかけに仲間が声を張る。