国から追われる身とは、どういった理由なのか。

 そこまで考えて、そんな馬鹿なと肩をすくめた。

 当のベリルは、カイルの考察を知ってか知らずか、だぶつく服を気に掛けながら視界に入る人間たちを眺めていた。

 しれっとしやがって。

 カイルはベリルの頭を腹立たしげに軽くこづいた。

 ふいにこづかれたベリルは意味が解らなくてカイルを見上げる。

「いくつだ」

「十五です」

 ホントにガキじゃねぇか、妙に落ち着きやがって。

 こいつの言動は何歳なのか解らなくさせるんだ。
 気がつけば、言語障害はとうに消えていた。