しかし、グレーの迷彩服に身を包む少年を見てしっくりきていることにカイルは妙な感覚を覚えた。

「銃は扱えるか?」

 ジャンがちょいちょいと誘うように右手を動かすと目の合った仲間が小銃を手渡した。

 それをベリルに差し出す。

 ベリルは全長一メートル弱はある、ずしりと重たい銃を受け取ると躊躇いもなく確認作業を始めた。

「ほ、こいつ手慣れてるぜ」

「ジャン!」

「ちょっと待ってな」

 そう言って呼ばれた仲間の元に向かう。

「問題ないようです」

「そうか」

 確認作業もはええなとカイルは感心した。

「ベリル」

「はい」

 何やら仲間と話していたジャンが戻ってくるなりベリルを呼んだ。

「構えてみろ」

 いぶかしげに思いながらも、言われた通りに小銃を構える。

 その表情には怯えもなく、どこか懐かしささえ垣間見えた。