「一番小さいサイズを渡したけどよ。なんだよ? あのガキ」

「森の中で拾った」

「拾ったぁ?」

 なんだそりゃと眉を寄せる。

「家出、とかじゃないのか?」

「バカ言え。俺がいたのは東の森だぞ」

「軍の施設がある森か」

「あそこは民間人は立ち入り禁止だ」

 カイルは立ち入り禁止区域ギリギリの森でキャンプを楽しんでいた。

「お前も物好きだねぇ。で、あのガキどうするんだ?」

「まだ決めてない」

「あんまり綺麗なガキなんでびっくりしたぜ」

 てっきりお前がどうにかしてきたのかと思った。というジャンを馬鹿言うなと肘で小突く。

 そこに、袖を折りながらベリルがテントから出てきた。

「おう。ちょい大きかったか。すまねえな。それが一番小さいんだ」

「いえ。ありがとうございます」

 このての服は着慣れていないのか、多少の違和感を感じているようだ。