「随分やわっちょろいガキだなぁ」

 笑いながらベリルの背中を強く叩く。

 ベリルはそれに、痛みをこらえて苦笑いを返した。

「おうボウズ。名前は? 俺はジャン」

 栗色の髪に青い目の体格の良い男は、明るくベリルに手を差し出した。

「ベリルです」

 戸惑いながらも、その大きな手を握り返す。

 ジャンは再びベリルの背中を叩き、カイルに目を移した。

「こいつも使うのか?」

「雑用くらいは出来るだろう」

 言ってベリルに視線を移す。

 聞こえていたはずだろうに、少年はそれにさして驚くこともなく、素直に受け入れているようだった。

「っていうか。服、ボロボロじゃねぇか」

「何かみつくろってやってくれ」

「子供用なんて無いぞ」

 ジャンは言いながらベリルをテントの一つに促す。

 テントに入りしばらくしてジャンが出てきた。