こんなものまで珍しいのかと、じっと見つけるベリルを横目にイヤホンマイクをつないだ。

「おうジャンか。どうした?」

 会話の内容に興味があるのか、カイルの横顔を眺める。

「いま? A国の東の森だが──あ? 急ぎ? 解った。ポイントは?」

 ひと通り会話して電話を切る。

 不思議そうに見つめるベリルを一瞥し、カイルは小さく溜息を漏らした。

「参ったな。仕事だとよ」

 苦笑いを浮かべるカイルに視線を合わせ、彼の仕事に目を細める。

「近くだから手を貸せとさ」

 肩をすくめてベリルを一瞥し思案した。

 こんな子どもを戦場へ連れて行くのはどうなんだ。

 とはいえ、このまま放り出すのも気が引ける。