「いきさつは聞いたがよ」

 神様も随分なことをしてくれるよなあ。おい。

「休暇だったんだろ」

「はい」

「オーストラリアで」

「そうです」

「で、追われてた女の子を助けたら不死になったってか」

「かなり端折られましたが間違ってはいません」

 何度、聞いても信じられねえ。何か厄介なことに巻き込まれたという話は、かつての仲間から伝え聞いてはいたが──

「ちょっと待て。こないだの奴らと関係があるのか」

「何かありましたか」

「変な奴らに襲撃された」

「ラシードは」

「おい、俺の心配は──まあいい。人質にはとられたが怪我はねえよ」

「あなたに問題がないのは見ればわかります」

「年々、俺の扱いが酷くなってやしねえか」

「いつも通りだと思いますが」

「お前らしいよ。まったく」

「それで、どうしました」