──オーストラリアから戻ってきたベリルは、とある報告をするためにカイルの元を訪れた。
「は?」
リビングで報告を受けたカイルはこれでもかと眉間にしわを刻み、間抜けな声をあげて手にしていたバーボンのグラスを落としかけた。
「いまなんて言った。不老不死とか言ったか」
斜め横の一人がけソファにいるベリルに困惑した視線を送る。
「はい」
しれっと答えたベリルに、カイルはますます表情を険しくした。
「それ、マジで言ってんのか」
いくらなんでも、そんなしらけた冗談に俺が乗っかるとでも思って──る訳はないか。
「そのようです」
「お前、どこまでだよ」
こいつは初めからとんでもない奴だったが、まだとんでもない報告をしてきやがる。あり得ないだろ、ふつう。
何百歩譲っても信じるのは難しい報告に、開いた口が塞がらない。