とはいえ、知っていても俺は同じことをさせただろう。

 なまじ、やり合えることで無駄な危険を冒し、取り返しのつかない結果になることはよくある。

「──って、それは俺か」

 反省し直してどうする。

 とにかく、武器を持つ相手とは極力、やり合わない方がいい。

 あいつのことだから、もしものときのものだと教えてはいるんだろうが、黙っていやがったことは今度うちに来たら叱ってやろう。

 けたたましいサイレンの音と、響く呼び鈴に玄関に向かうラシードを見送り、終わりを告げた戦闘にカイルは深い溜息を吐いた。