皮肉から生まれた通り名は見事、ベリルの名を広めるに至った。

 しかしその名は皮肉に留まらず、真実の名であると理解する傭兵たちは日増しに増え、それにつれて仲間の数も増していく。

 ベリルを中心としたネットワークは強固なものとなり、慈善事業の一環として資金援助を申し出る者が次々に手を上げた。

 それらを円滑に動かすためのシステム作りに時間を要したが、どうにか上手く回っている。

 その容姿も相まってか「悪魔のベリル」とさえ呼ばれ、腕の立つ傭兵であると紹介されることも多くなった。