荷物はさして重くはないものの、まだ疲れの残る体には少々、厳しい重さだ。

 それでもベリルは文句も言わずにカイルのあとを追った。

「あと少しだ」

 それから数時間ほど歩くと森が開け、一台の車が視界に入った。

 森は終わり、向こう側には平原が広がっている。

 どこが少しなんだろうと顔をしかめて溜め息を吐き荷物を降ろす。

 森を抜けたことに安堵して、眼前の車に目を輝かせた。

「ピックアップトラック」

 オレンジレッドの車には軽トラと同じように荷台があるが、それよりもファッショナブルな見た目をしている。

「おう。俺の車だ」

 ピックアップトラックはアメリカでの大型以外のトラックの総称で、キャビンうしろに開放式の荷台を持つ車だ。