ベリルについていくと聞かないのでカイルに押しつけた。

 傭兵になりたいとすがりつき、ならば師匠の世話をして学べと言ったら即決したので仕方なく連れてきたという訳だ。

 自分のいない所で勝手に決められたカイルは、たまったものではない。

「てめえ、ふざけてんのか」

 少年を連れてきたベリルに、カイルはこれでもかと顔をしかめた。

「至って真面目です」

「嘘つけ」

 お前が真面目なんて死んでも思えねえ。

「よろしくお願いします!」

 強い意気込みにカイルとベリルは少年を見やり、すぐさま二人は顔を見合わせた。

「可愛い弟子の頼みですよ」

「自分で言う奴ほど信用できねえ」

「あの」

 ベリルは不安そうに見上げる少年を一瞥し、

「追い返されそうだぞ」

「そんな!? お願いします! ベリルの師匠なら絶対! 凄い人だから!」