「しかし、彼らはテロリストでは──」

「罪もない人を大勢殺して、人質とって立てこもったんだろ」

「はい」

 その行為は、決して許されるものではない。

 けれども、彼ら自身の救いもあって然るべきではないのか。

「報いを受けたかったんだろうさ」

 そういう意味では、お前はあいつらを救ったんだ。

「そうかもしれません。しかし──」

 現実での罰から逃げたともとれます。

「お前、厳しいねえ」

 カルナたちの行為は伝えられる度に一人歩きし、残虐なテロリストとして後生に語り継がれる。

 彼らは、それもやむなしとベリルに殺される決意をしたのだろう。

「繰り返される事をカルナは恐れた」

 再び捕らえて国に戻されたとしても再度、彼らは解き放たれる。

 それが解っていても、殺める事を躊躇わずにはいれらなかった。

 カルナの救いが私であった事に、私はどう思えばいいのか。