過去の戦争、今も続く内戦や争いを学んできただろう。

 よもや、あれが全て過去のもので、私の前には現れないとでも考えていたのか。

 こうも直面すると、いかに己が弱い存在であるかを痛感させられる。

 戸惑うベリルの瞳の色を知ってか知らずか、カルナはベリルに銃口を向けた。

[もう、これしかないんだ]

 カルナの殺気に図らずも反応し、腰の後ろに装備していた拳銃(ハンドガン)を抜いてしまう。

[おまえがここにいるのは、運命だ。神が俺の願いを聞き入れた]

[私に、どうしろと]

[解るだろ? 俺に、安らぎをくれ。救いをくれ]

 彼の意図を理解しつつも、違う言葉が紡がれる事を願っていた。

[それはだめだ]

[もう、終わらせてくれ]

 か細い声にベリルは顔をしかめる。その表情を見ても、カルナは引鉄(ひきがね)にかけた指を緩めない。

 彼は、本気だ。

[よせ!]