──朝、ベリルはすぐ傍から聞こえた物音に目を覚ます。
「んあ? 起こしちまったか。まだ寝てていいんだぜ」
「おはよう、ございます」
片付けをしているカイルを見てホッとする。
少年は、借りた毛布を綺麗にたたみカイルに手渡した。
「おう、すまんな。それで、行く宛はあるのか?」
再度、問いかけた。
「いえ」
顔を伏せたベリルを見やる。
まだ子どものこいつとこのまま別れるというのは、ちょいとあと味が悪い。
「そこの荷物持ってついてこい」
ベリルは訳も解らず、あごでくいと示された荷物を手に取った。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…