──朝、ベリルはすぐ傍から聞こえた物音に目を覚ます。

「んあ? 起こしちまったか。まだ寝てていいんだぜ」

「おはよう、ございます」

 片付けをしているカイルを見てホッとする。

 少年は、借りた毛布を綺麗にたたみカイルに手渡した。

「おう、すまんな。それで、行く宛はあるのか?」

 再度、問いかけた。

「いえ」

 顔を伏せたベリルを見やる。

 まだ子どものこいつとこのまま別れるというのは、ちょいとあと味が悪い。

「そこの荷物持ってついてこい」

 ベリルは訳も解らず、あごでくいと示された荷物を手に取った。