──カーブルから移動すること数時間、ベリルたちは小さな町に到着する。
住民は避難を終え、町は静まりかえっていた。
立てこもりのテロリストを一掃することが要請内容なのだが、人質の生死は触れられていない。
死亡しても不問にすると暗に示されている。
政府の関係者は同行せず、傭兵に全てを任せる事に多少の嫌悪感を募らせつつも、下手に関わられてもこちらが動きづらくなるだけだと切り替える。
軍が動かないのは現在、武装勢力との抗争下にあり、戦力をさけない状況にあるためだ。
テロリストとされる人間は、町の有力者の邸宅に立てこもっている。
中東での市街地戦には慣れているとはいえ、屋内戦はあまりしたくはない。



