「合計、何人だ」

 ドナートがベリルに尋ねる。

 彫りの深い顔立ち、柔らかなブラウンの髪質にあご髭と口ひげをおしゃれにきめている。

 イタリア人の彼は気さくな性格で、チームのムードメーカーでもある。

「我々を除いた二十五人」

「多いな」

 ブルーノが口笛を鳴らした。

 青い目が陽気に動く。彼はカイルと同じアメリカ人だが時折、悪ノリして場の雰囲気を悪くしてしまうところがある。

 今回は前に出ず、控えめにしておくと事前に宣言していた。

 ベリルは端末でリストと敷地内にいる人数を確認していく。

 あと数人かと考えていると、近づいて駐まったジープから出てきた三人に、これで全員が揃ったと敷地内を見渡す。

「おい。こっち向いてくれ!」

 ドナートが手を叩いて注意をひく。

 ベリルはそれに礼をするように目を合わせ一歩、前に出る。