代謝も速く、ちょっとした怪我ならすぐに治っちまう。

 一般平均の二倍から三倍ってところか。少なくとも、俺の二倍以上なのは明らかだ。

 とはいえ、俺は歳食って下り坂に対し、こいつは若くて成長期という違いはある。

「なんですか」

 じっと見ているカイルにいぶかしげな表情を浮かべる。

「お前、俺がいないからって無茶するなよ」

「あなたがいてもいなくてもしません」

 むしろ、あなたの無茶をどう止めようかと、そればかりを考えていた。

 私が加わったことで彼の怪我が減ったと聞かされたとき、敵を止めるために自ら起爆スイッチを押して吹き飛んだブルーの姿が脳裏に過ぎった。

 伝わる爆音に、立ち止まりかけた足をだめだ止まるなと奮い立たせた。

 戻ってきた場所には、人の気配は微々たるもなく──二度と、あんな思いはしたくはない。