たゆたう波の終わり

「本当に大人しくしていない人ですね」

「え、これ俺のせい?」

「あなたがトラブルメーカーだという事を忘れていました」

 私は何故、彼から離れてしまったのか。

 目の前の事に、どれほど浮かれていたのかを痛感させられる。

 予言者や占い師ではないにせよ、悪い予感くらいはあっても良さそうなものだ。

 占い師は自分のことは占えないとは言うが今さら、反省のしようもない。

「俺のせいなの?」

「私を拾った事から解っていたというのに」

「お前、自分をトラブルだと思ってたのか」

 やれやれと頭を抱えるベリルに眉間のしわを深く刻んだ。

「違いますか?」

「そうだって言えるかよ」

 困惑しているカイルを見やり、彼が納得しているのならとベリルは了得(りょうとく)した。