──三日後
「カイル」
「よう。戻ってきちまったのか」
病室に顔を出したベリルに軽く手を上げる。
「何を言っているのか」
当然でしょうと頭を抱える。
旅先でハイジャック事件のことを聞いたベリルは取り急ぎ戻ってきた。
本人は元気そうにしているが、状態はあまり良いとはいえそうもない。
「傷は」
「あー。当たりどころが悪かったみたいでな」
「そうですか」
笑って答えるカイルに眉を寄せる。
ベリルは先に主治医の元へ行き、怪我の状態を伺っていた。
そこで医者の説明と見せられたカルテに目を眇め、今後について軽く話し合ってきていた。
「そこの端末取ってくれねぇか」
ナイトテーブルに置かれているスマートフォンを手に取りカイルに手渡す。



