「…………」
話している間海梨は相槌をうつ以外は何も口を挟まなかった。
「………で?」
「で、って…?」
「なんかあまりにもタイミング良くない?」
ふと顔を上げた眉間には深い皺が刻まれていた。
「タイミング?」
「昨日は階段から突き落とされて、今日は生徒指導室呼び出し。さぁ明日は?」
「まさかあるわけないよ。二度あることは三度あるって言いたいの?」
そんなに頻繁になにかあったら困る。
「まあ。たぶん嫉妬だろ?今回は写メ撮ったりやけに手がこんでるが…」
「うん。今までとはちょっと違う」
今までは、「康太と離れろ」「ブス、釣り合わない」などの手紙や体育館裏呼び出し、など典型的なパターンが多かったのだが…。
「だいちゃんは、私のこと幼なじみとしか思ってないから気にする必要ないのにね」
自嘲が漏れる。
自分で言って、自分で傷付いた。
「もーあんた達は…」
しょうがない…。
とばかりにため息をつかれた。
