「なんで……」

聞きたいことが有りすぎて、言葉に詰まってしまった。


「…わかったか?右手のこと」

望が継いで聞いてくれたので頷く。

「うーん…。鞄、左手で持ってたし」

「それだけで?」

「あとはね……コレ」

にこりと笑うと自分の鼻を指した。

「鼻…。あ、湿布?!」

「当たり。でも一番の根拠は、珍しかったからかな…」

「珍しい?」

自分はこの短時間に何かやらかしただろうか?

「うん。いつも真面目に解説聞いてるのに、ペン持とうともしないで溜め息ついてたし」

「え~とそれはまぁ…点数伸びなかった、から?」


「前回より上がってるでしょ」

誤魔化そうとするが、あっさりスルーされる。

「しかも呼び出されたと思ったら、泣かされて帰って来るし」


言われたことを理解して一瞬で顔が熱くなった。


「!?………」

あまりの衝撃に口をぱくぱくさせるだけで精一杯。
言葉なんて出てこなかった。