うん、だんだん腹がたってきた。そもそも根拠はあるのか?


「先生、私はずっと部活に出てます。それと私がバイトをしてるって証拠がどこにあるんですか!?バイトの届けを出してない位で授業中に生徒指導室に呼び出すなんて、よっぽどの根拠があるんですよね?」

大人しそうな外見と、普段声を荒げることがない自分が反論したことが意外だったらしい。
目の前では細井が、隣では菅野が唖然としていた。


「…っこれを見て同じ事が言えるのか?」

細井がだらしなく開いていた口を閉じ、一枚の写真を机に置いた。ケータイの画像を印刷したのか、かなり荒いが何を写したものかは理解した。

「………」

そこに写っていたのは、携帯を持った後ろ姿。その背景は所謂ホテル街…。

「……坂本、これ……ホンモノ?」

菅野が思わずと言うように聞いた。
引き寄せてじっくり見る。
確かに自分………?
いや、

「お望みの立派な証拠だ、どう「違います」……なんだって?」

細井の言葉を遮る。
これは私じゃない。

「違うって言ってるんです!」