「でも先生知らなかったならなんで俺を探してたんですか?」

保健室に戻りながら聞く。
「ん?いや、通りかかった江川先生に相談したら、志水を探せって言って校内放送しようとしてたからね…」

流石に止めたよ。と笑った。
何をやっているのか、我が担任は…。


長野はガラッと保健室のドアを開け、言った。

「菅野先生。連絡つきましたよ~」

「お!良かったなぁ」

そう言って、琴菜の頭を撫でる菅野。

ベットに近付きながら琴菜の顔色を窺う。

「琴菜大丈夫か?」

「うん平気。あの、」

「貧血だよ。菅野先生が見つけてくれたんだ」

琴菜の言葉を遮り長野が説明した。

「そう…ですか」

「琴菜、帰れるか?今日は夏香さん早くは帰れないって。たしか直哉さんも出張中だろ?」

「あ、そっか…」

「じゃあ家に1人か…。危ないな」

菅野が口を挟んだ。

「大丈夫です。俺の家に連れて行きますから」