「用事があったんじゃないの?」

「いや、そうだけど。その途中で坂本を拾った」

「琴菜を!?」

「菅ちゃん、拾ったってどーゆーこと?」

「ま、ついてこい」

「菅ちゃん、アイツ無事?なんか壊したりとか…?」
少々不安になり聞いた。

「なんだそりゃ?別に校内を破壊して回ってた訳じゃなさそうだけどな。無事ってか、怪我は見た限りない」

その言葉にひとまず安心し、あとは黙って付いていった。

「長野先生連れてきましたよ~」

保健室のドアを開けながら菅野が中に声をかけた。


「あ、ありがとうございます菅野先生。坂本さんの家に連絡つかなくて、困ってたんですよ」

名簿を片手に、歩みよって来た。

「坂本さん貧血みたいだ。家に連絡取れないかな?」

長野はカーテンの閉まっているベットに視線をやった。

「琴菜の親に連絡付けたいんですよね?」

「出来るかい?あ、菅野先生少しここお願いして良いですか?電話してきます」