うるはが上京したのは、大学進学のためだった。


もともと、めんどくさがりのうるはは、実家を出るのを嫌がった。


「男は外に出てなんぼ」


親がそういうものだから、仕方なく東京の大学に進学することにしたのだ。


高校時代は、朝から晩まで野球に明け暮れていた。


っといってもうるはは、球技が非常に苦手だった。


夢中に練習したものの特に成果が出ず、3年間を終えた。


運動とは対照的に勉強に関しては、優秀だった。


だから、東京に進学するさいも特に選択には困らなかったし、むしろ有名な私立大学に推薦で合格するほどだった。


高校を卒業し、いざ初めての一人暮らしとなると初めは心細く感じたが慣れてくると次第に快適になってきた。


大学では、サークルに入り毎日友人たちと、飲んだり遊んだりと普通の、いや普通の大学生の何倍も遊んで過ごした。


大学生活などあっというまでうるはは、いつのまにか4年生になった。