僕の執事 完結編

階段を上がろうとした時、後ろから話し掛けられ間抜けな声が出た。


『んぁ?…騎馬か』


「また葵さんの事ですか?」


『うん…まぁ』


「変わりやすいのは女心と秋の空。なんて言いますからね、しっかり捕まえておなかないと誰かに盗まれてしまいますよ?」


『騎馬…例えが古い。』


「古いですか? そうですか。」


そう呟き、押し黙った騎馬はしばらく何かを考え、結局なにも言わずにその場を立ち去ろうとした。


『騎馬?!』


「はい? いかがなさいました?」


『いや、いかがなさいました?じゃなくて、何も言わずに行くなよ。
ビックリするだろ?』


「あ、申し訳ありません。
自分の中で勝手に消化してしまいました。」


その言葉を聞いて笑うしか出来なかった。
最近、俺の知らない騎馬が顔をだす。
兄貴に仕えてから変わった気がするんだけど、そう思ってるのは俺だけらしい。


「それより、早く着替えになってください?
遅刻致しますよ。」


『あ、そうだった。』


再び騎馬と別れ、部屋に向かった。


『はぁ…朝から不完全燃焼だな。』


そんな事をぼやきながら、用意された制服に袖を通した。