僕の執事 完結編

その間、葵はその場から一歩も動くことなく、大人しく待ってた。
ついさっきまでろくに口も聞いてくれなかったのに…


「─陸一つ、聞いてもよろしいですか?」


そう声を掛けられたのは、階段を上がってる途中だった。


『なに?』


「イチゴ味だったのには、何か意味があるんですか?」


『…イチゴ?』


葵の質問に足が止まった。


「ケンカした時とかにいつもくれる飴の事です。
いつもリンゴ味だったので…」


『ああ…あれか。
リンゴ味が無かったから。(ちゃんと食べてんだ)』


「そうなんですか…」


再び階段を上がりながら、シュンとしてる葵を見下ろした。


『何で急にそんな事?』


「いえ、ちょっと気になったもので…でも、なんでもないんですね。」


『………。』


そういえば、俺と葵って両想いなんだよな…
一応"恋人同士"って事になるのかな?
だとしたら、全然恋人っぽくないよな、俺達…
気のせいかもしれないけど、付き合い初めてから葵と二人きりになる時間が減った気がする…
やっぱり、執事と主じゃ恋なんて出来ないのかな?


「陸行き過ぎです。」