「《俺が付けてたネックレス、俺の代わりに付けてて欲しい。
アリスが見つけられるように。そしてすべてを話して欲しい。
病気の事も、俺がアリスを好きだと言った事は嘘じゃない、アリスに会えて楽しかったって事も。全て。》
だから、アリスが来るまでずっと身につけてた。
でも、まさか間違われるとは…」


『だからあの時言っとけば…』


「言えるかよ。あんな笑顔見せられたら、俺が紅平だって言わざるをえないだろ?」


『…それは言い訳だろ?自分に対しての。
言おうと思えばいくらでもチャンスはあった。
言わなかったのは、アリスが傷つくのを見たくなかったからだろ?』


「………。」


『ちょっとキツいこと言うけど、自業自得だと思う。
自分の付いた嘘で自分苦しめて、相手も傷つけて… いつかは知らなきゃいけないし、嘘だってそのうちバレるぞ?!』


ちょっと言い過ぎたかな?でも、このくらいしないと。誰かが嫌われ役にならなきゃならないんだ。


「…そうだよな。
陸の言うとおりだ。頭の中で分かってたんだ、嘘がいつかバレる事も、言う機会がありすぎる事も…知ってて自分に言い訳した。」