僕の執事 完結編

兎木がさっきと同じように店員を呼び、注文をしてる姿を見ながら、自然に聞こえるよう恭平に質問した。


『…紅平ってコーヒー飲めるっけ?』


「紅ちゃんにはミルクティーを頼んであります。」


俺の質問に、アリスが笑顔で答えた。
そういえば、さっきも飲んでたっけ?
再び恭平に話しかけるアリスから視線を外し、半分上の空のままトイレで恭平からされた頼みごとを思い返してた。


《今だけ、俺のこと紅平(こうへい)って呼んで欲しいんだ。》


よく分からないまました返事の後、鏡に映る恭平の姿を見て、アリスには知られたくない何かがあるんだと思った。
 今、俺に出来るのは、紅平が恭平だとバレないよう、極力名前を言わないようにする事、と早く母さん達の話が終わるのを待つしか出来なかった。


─その後、店員が現れ注文の品を置き、出されてた物を下げて行くのを見届けると、再び賑やかになった。
アリスがこんなによく喋る子だなんて知らなかった…
アリスはミルクティーを一口飲むと、いきなり紅平って人の思い出話をし始めた。