僕の執事 完結編

『開けるぞ?』


「うん。」


開いた扉の向こうから、一斉に視線が集まった。
笑顔のアリスと、戸惑う両家の執事が、俺たちを見てた。


『なんか、すげえ見られてる…』


苦笑し黙って席についた。


「どこにいらしてたんですか?」


待ちきれないと言った様子のアリスに、なんて答えようか考えるあまり上手い言い訳が浮かばず、しどろもどろになってると、隣に座った恭平が助け舟を出してくれた。


「アリスの事を話してたんだ。 な、陸」


『うん。つい話に夢中になってしまって…』


でも、その話はどうでもよかったらしく、俺から恭平に目を移すと満面の笑みを浮かべ話し始めた。


「あ、紅ちゃんまだしててくれたんだ!!」


「アリスも…覚えててくれたんだ。」


「うん、私の御守りだもん。」


「そっか。」


ネックレスの事かな?
嬉しそうに笑うアリスとは対照的に、恭平の横顔は切なかった。
二人の会話を隣で聞きながら、冷めたコーヒーを口に含んだ。


「兎木」


「はい。」


「新しいミルクティーとコーヒーをお願い。」


「かしこまりました。」


アリスの声に手を止め、顔を上げると微笑した。