僕の執事 完結編

「でも、そこで終わりじゃなかったの。
最後に彼に、幼稚園の頃から好きだった。って告白されたの。
返事は即答で《私も!》って答えたわ。
そしたら、告白したばっかで結婚しようって…」


アリスはクスッと笑って、「でも…」と続けた。


「すごく嬉しかった。
《今すぐは無理だから、僕達が大人になったらね?それまで君は僕の婚約者だよ。》って、婚約者なんて言葉、誰に教わったんだろう?ってくらいそこだけぎこちなかった。
…約束したこと、忘れないようにって、最後の最後にこれをくれたの。
彼、ずっと握りしめてたから、もらった時は暖かかった」


笑いながら見せてくれたのは、ハートを真ん中から割ったデザインで、中には薄いパープルのストーンがはめられてた。


「もう片方は彼が持ってるの。」


『今も、待ってるの?』


「ええ。 でも、もう忘れてると思う。
子供の約束だから…」


切ない顔でネックレスを見つめるアリスに、掛ける言葉が見つからず、コーヒーに視線を落とした。


「…なんだかしんみりしてしまいましたね。
食べましょうか?」