「そうなんですか!凄い偶然ですね
…それから、私ママには言ってないんですけど、もう結婚する人決めてるんです。」


『えっ?!』


「呆れられるかもしれないんですけど…
今から話すのは、私の幼い頃の話です。
私、ママの前だけ良い子のフリをしてるんです。
それが昔からの癖っていうか、なんていうか…
ママの理想の娘を演じてるんです。変ですよね」


『本当の自分を隠してるってこと?』


「はい、幼稚園に通ってた頃からアリスは大きくなったらあしこれしなさい?これしなさい!って言われ続けてて…その頃は何も分からなかったから、素直に言うことを聞いてたの。
でもある日、幼稚園でイジメを受けたの。
いい子ブリッコ!って。
今思えば可愛い笑い話だけど、幼い私はその言葉を聞いてワンワン泣いた。
そうしたらね、ある人が助けてくれたの。」


『ある人?』


「白馬の王子様に見えたわ…」


遠い目をして、時々微笑みながら先を話してくれた。


「アリスをいじめる奴は僕が許さない!って、私の前に両腕を広げて守ってくれたの。
イジメた子たちとは、次の日には仲直りしてたんだけど、私は助けてくれた子と遊ぶようになった。」