僕の執事 完結編

─騎馬の運転する車に乗り込み、場所も聞かされないままゆっくり走り始めた。
助手席に母さんが座り、後部座席の俺を挟むように、葵と恭平が乗った。
 不思議なほど静かな車中、落ち着かないでいると、葵と目が合った。
優しい笑みを向けられ、それにつられるように微笑し、その後しばらくデジタル表示の時計を見つめてた。


「陸、今日の事はそんなに深く考えなくていいわよ?」


何を言いたいのか分からないけど、いきなり母さんにそう言われ答えに困った。


「お見合いって言っても、親同士の交流会みたいなモノだから。
巻き込んじゃってごめんなさいね」


『別にいいよ、会うだけなんだし。


俺の返事に母さんは何も言わなかった。
母さんなりに心配してるのかな? 表情は見えないけど、初めてに近いほど優しい声だった。───