僕の執事 完結編

『そういや、なんて言って来たんだよ?』


来たのが自然過ぎて、智章さんも一緒なんだと思ってたら、階段を上がってる途中で1人できたと言われ驚いた。


「ん? 陸と映画見に行ってくる。って」


『…それって騙せてんの?居場所バレてんじゃん』


「変に嘘付いて疑われるよりマシだろ?
映画がお見合いに変わっただけで、あとは本当の事なんだから。」


『そうだけど…』


「どうでしょう?」


『ん?』


恭平との話しに夢中で、自分がどんな服を着てるのか、声を掛けられ初めて気づいた。
鏡に映る自分を見て、少し変な感じがした。
どこかよそよそしいのに、ちゃんと俺好みの服装になってたから。


「似合ってんじゃん!」


なんて恭平に言われたけど、お見合いに着てくのが勿体無い気がした。
教会から花嫁を連れ出す。じゃないけど、今すぐ葵の手を引いて誰も知らない場所に逃げたい気分に駆られた。


「嫌でしたら、違う服をお選びますが…」


『いや、ありがとう。』


「…なんか元気なくね?」


鏡越しに恭平と目が合った。