「怒った?」


『なんで?』


「そればっかだな。
まあいいや、なあ、俺も一緒行っていい?」


『はあ?』


呆れながらも母さんに許可を取るよう促した。
なんかあっさりOKしそうな気がする…


「僕も行ってもいいですか?」


「そうねぇ~」


珍しく悩んでる母さんと、期待してる恭平の姿を交互に見ながら、吹き出しそうな味噌汁を必死に胃に流し込んだ。


「ダメですか?」


「今日は陸のお見合いだから…」


断った。と思った瞬間、母さんは笑顔で「特別に許可しましょう」言った。でも、その後にはまだ続きがあった。


「但し、お見合いの邪魔はしないこと、お見合いの最中は外で待つこと。
この二つを守れるのなら、連れて行ってもいいわよ?」


その条件に恭平は少し残念がってたけど、母さんの条件を呑み、結局付いてくることになった。───


「陸のお母さんって意外と厳しいのな…」


朝食を済ませ、部屋で葵に服を選んでもらってると、ソファーの背もたれに顔を乗せた恭平が、俺に向きながらそんな事を漏らした。


『厳しいか?』


「はぁ…せっかく智章騙してきたのに。」