僕の執事 完結編

目を合わせようとしない葵を変に思い、自分の姿を確認してみたけど、別に変わった所もない。
葵だって見慣れてるはずだし。


『なんかあった?』


もう一度質問をしてみた。


「ううん…」


それしか言わない葵の目は、やっぱり定まらなくて俺を少しイラつかせた。


『なんか用があってきたんだろ?』


「うん」


コクリと頷き、頬を赤くした葵を見て思ったことを口にした。


『もしかして、俺と2人になりたくて…ってないか。』


苦笑いをし、目を伏せた。 多分同じ気持ちなんだろうけど、確信がないから自分で自分の言葉を否定した。


「陸は2人きりになる事、望んでないの?」


『えっ?』


その言葉に顔を上げると、耳まで赤く染めた葵が恥ずかしそうに俺を見た。


『…挑発してんの?』


「え…?」


言い表せない程の嬉しさを隠し、1人焦る葵に近づいた。


『そんなに俺と2人きりになりたかったんだ。』


そっと抱き寄せた葵の耳元でそう呟いた。
葵の体温が高くなっていくのが、触れた素肌に伝わってきた。