僕の執事 完結編

「何を話されていたんですか?」


『ちょっとな。』


差し出す手に葵がゆっくりと手を伸ばした。
その手を握りしめると、隠すようにポケットに入れた。
冷えた指先が温かくなり、指先がジンジン脈打った。


「あのお方、離れますかね?」


公園に向かって歩いてると、後ろから騎馬が話しかけてきた。
視線の先には、アリスにウザがられてる執事の姿があった。
目を細めまっすぐ、兎木をみる騎馬は、高い空から獲物を狙う鷹みたいで少し怖い…


『あの執事、他人の言うこと聞きそうにないよな。 何かの拍子で、アリスが言ってくれればいいんだけど。』


そんな淡い期待を抱き、様子を伺い見てると、葵が話に入ってきた。


「なんと言えばよろしいんですか?」


『ん?、喉が渇いた。的な一言』


「それだけ、ですか?」


『うん、そうしたら騎馬が兎木を連れ出してくれる予定だから。
まあ、上手く行けばの話しだけど…』


「そうですか」


『………?』


微笑む葵は、俺の手を解くとアリスの元へ向かった。


「どうなさるおつもりでしょう?」


『さあ?』