僕の執事 完結編

「おかえりなさいませ!」


家に帰ると、満面の笑みを浮かべ葵が近寄ってきた。


『ただいま。(葵の顔見るとホッとする…)』


「…陸」


『んー?』


玄関で靴も脱がず、ボーっと葵の顔を見てたら、急におでこに手をあてられた。


「熱は…ないみたいですね。」


『……近い。』


ボソッと呟き、おでこから離れた手を体ごと引き寄せた。


「うっ?」


『…落ち着く。』


「……。」


ずっとこのままでもいいや、なんて思ってると後ろから咳払いが聞こえた。


「葵さんが困っておられますよ。」


騎馬の声を聞いて渋々葵を離した。


『もう少しあのままで居たかったなぁ…』


「はぁ。陸には、やらなければならない事、があるんじゃないんですか?」


騎馬の言葉に口を尖らせ、靴を脱ぐと、固まったまま動かないでいる葵の横を通り部屋に向かった。


『やっぱり2人きりにさせるしかないんだよな…』


『でも、俺がいたら2人きりにはなれないし…』


『ハァ…なんかいい方法ないかな?』


─ドアノブに手を掛け、何度目かのタメ息を吐き、ゆっくりとドアを開けた。