「ほら、こっち。」 肩越しに振り返る薫は、丘の上を指差しているようだ。 目を凝らそうとしたとき、不意に薫の手が目を覆った。 「あ、ここから先はいいっていうまで目開けんなよ?」 「う…うん。」 何も見えない事に少し不安を覚えながら、彩音は薫に引かれるがままに着いていった。