紫陽花

 
「うーん…じゃあ俺は木ノ下かなっ!」

そう言った瞬間に
幸司の眉がピクッと動いた。


「まじかよ!?」
「えっパチだろ?」

と、みんなざわめき出したから
冗談だと告げたら
今度はブーイングの嵐になった。


『まっ好きな女もいねーし妥当だろ。』


そのままバイキングを
大騒ぎしてボーリングに行った。


1ゲーム目が終わりトイレに
向かうとき幸司に呼び止められた。


「さっきのあれって本当に冗談?」


「ん?あれか(笑)冗談だよ。」

「そっか。ならいいんだけどな…」


その後更に3ゲームを終え
その日は解散した。


明日からは体育祭の準備期間。
そして俺の恋が始まるなんて
この時は思いもしなかった。