紫陽花

 
文化祭の当日の朝目が
覚めると隣で前田が寝てる。

寝返りを打ち口を開いた。

「ふぁ?今何時?」


「あー10時だな。」


「…文化祭始まってんじゃねーか!?」


「そういうことになるな。」

俺と前田は急いでボンタンと
パーカーに着替えて家を出た。

教室に着いたときには瀕死だった。

「何とか間に合ったな…」


「正樹と前田くん遅いっ!」


「木ノ下か…今はそれどころじゃねー」


「そうそう…俺なんか朝起きたら隣に野郎が…」


「それは俺のセリフだから…」


「まあいいけど…せっかくだから写真撮らない?」


「今それどころじゃない…」

俺がそう言い終わると
同時に前田が立ち上がり
木ノ下からカメラを奪った。


「よしっ!じゃあ斉藤と木ノ下撮ってやる!」


「やった!正樹いいの?」

「勝手にしてくれ…」


俺がまだ瀕死なのに元気だなとか
思っていたら座り込んでる俺に
木ノ下が抱きついて来た。


「1+1はー?」

「にー♪」

木ノ下は楽しそうに笑ってる。

『てか強く抱きつき過ぎて死にそう…』
 
「じゃあ現像したら渡すね♪」

そういって木ノ下は走って行った。